大たいまつ、海染める 滑川で国重文のネブタ流し

大たいまつが燃え、夕暮れの海を染める「滑川のネブタ流し」=滑川市の中川原海岸

 江戸時代から続くとされる国指定重要無形民俗文化財「滑川のネブタ流し」は31日、滑川市の中川原海岸で行われた。高さ約5メートルの大たいまつ10基が夕暮れの海を赤く染め、見物した約800人の目を引いた。

 午後6時半ごろ、水野達夫市長が代表して滑川西地区公民館のたいまつ上部に点火し、残る9基も次々と燃え始めた。制作した地元団体・機関の約100人は労働の意欲を妨げる眠気や病気をはらうため、たいまつが燃え尽きるまで海に流した。

  ●イナガキさん特別撮影

 市制施行70周年の節目を迎える今年度、射水市のフォトグラファー・イナガキヤストさんが滑川のネブタ流し保存会(会長・當流谷正博常盤町2区町内会長)から依頼を受け、伝統行事を特別撮影した。今後、写真の公開が予定される。

 同保存会によると、ネブタ流しは東北や北関東、信州地方などでも行われる。日本海側では滑川が最も南側で受け継がれ、1999年12月に国の重要無形民俗文化財に指定された。

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