石川3教科トップ 全国学力テスト

  ●小6国語、算数と中3数学 高水準を維持

 文部科学省は31日、小学6年生と中学3年生を対象に実施した今年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表し、石川は都道府県別の平均正答率で見ると、全5教科中、小6国語、同算数、中3数学の3教科で1位となった。残る2教科についても、中3国語が2位、同英語が4位と上位につけ、昨年の4教科トップに続いて高い学力水準を維持した。

 テストは国語、算数・数学に加え、中3で4年ぶりに英語が実施された。基礎と活用力を一体的に問う出題形式で、石川は現在の試験方法となった2019年度以降、小6算数で4回連続、中3数学で3回連続の首位となった。

 石川の平均正答率は、小6は国語が72%(全国平均67.2%)、算数が67%(62.5%)。中3は国語が73%(69.8%)、数学が56%(51.0%)、英語が49%(45.6%)となった。

 小6算数では、複数のグラフを比較して読み解き、説明する問題が全国平均を大きく上回った。一方、二つの三角形の面積の大小を判断し、その理由を説明する問題が全国より低かった。

 石川県教委は、今回の結果について「2002年から実施している県独自の基礎学力調査、09年から金大と連携して取り組む課題分析や授業改善の成果が影響した」(学校指導課)と指摘した。学力テストの結果を授業に活用する指導法も奏功したという。

 北陸は富山、福井両県も、平均正答率で全国上位の教科が目立った。富山は中3数学が54%で3位となったほか、小6算数が65%で4位、中3国語が71%で5位だった。福井は中3国語73%、同数学55%がいずれも2位で、小6国語71%、同算数66%はともに3位となった。

 今年度の全国学力テストは4月18日、国公私立約2万8523校の計190万1326人が参加した。石川の公立学校では計287校1万7664人が受けた。

 石川県教委の北野喜樹教育長は「全国トップクラスの水準を保っていると確認した。今後も市町教委や学校と連携して、学力の維持に取り組む」とのコメントを発表した。

 ★全国学力・学習状況調査 文部科学省が全国の小学6年、中学3年を対象に毎年度実施している学力テスト。国語、算数(数学)のほか、3年に1度理科と英語も実施し、学習意欲や生活習慣などを尋ねる調査も行う。全国的な学力の把握と、学校での指導改善につなげるのが目的。2007年度に43年ぶりに始まり、11年度は東日本大震災、20年度は新型コロナウイルスの影響で中止された。

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