茨城県内、今年の交通事故死50人に 県警まとめ コロナ5類で交通量増か

茨城県警本部=水戸市笠原町

茨城県内の2023年の交通事故死者数が50人に到達したことが31日、県警のまとめで分かった。新型コロナウイルス禍の2020~22年は8月下旬から9月上旬の到達だったが、今年は昨年より38日早かった。今年初めごろから交通量の回復傾向が続いたことが一因とみられる。

県警交通総務課によると、つくば市で7月30日、トラックが電柱に衝突し、助手席の男性が死亡した事故で、死者が50人となった。

元日から211日目での到達は、統計が残る1972年以降で4番目に遅かった。最も早く50人に到達したのは、1992年の29日目で、同年の年間死者数は481人に上った。最も遅かったのは、21年9月7日の250日目。

7月30日現在、県内の事故の発生件数は前年同期比284件増の3631件、負傷者数は同337人増の4450人。死者数は同13人増となっており、いずれも増加している。

類型別では、自動車乗車中が17人で最多。次いで歩行中が15人で、うち14人が夜間に事故に遭っており、全員が反射材を着けていなかった。自転車の死者9人のうち頭部へのダメージが致命傷となったのは6人で、全員がヘルメットを着用していなかった。

65歳以上の高齢者が関わる死亡事故は22人。飲酒による事故の死者は2人だった。

県警は、50人到達が昨年より早まった背景について、今年1月以降に「交通量や人の流れの回復が影響したのでは」とみている。

© 株式会社茨城新聞社