戦争の悲惨さや平和の大切さを次世代に 2日、大分市で4年ぶりに「ムッちゃん平和祭」【大分県】

ムッちゃん平和像と、ささげられた千羽鶴=大分市の平和市民公園ワンパク広場

 【大分】「ムッちゃん平和祭」が2日、大分市の平和市民公園で4年ぶりに開かれる。今年で40回目。終戦直後、肺結核のため隔離された防空壕(ごう)で亡くなったとされる少女ムッちゃんをしのぶとともに、戦争の悲惨さや平和の大切さを次世代に伝える。

 平和祭は、多くの人々から寄せられた寄付金で「ムッちゃん平和像」が建立されたことを機に始まった。1984年から毎年開催していたが、新型コロナウイルス禍で2020年から3年続けて中止となった。

 今年は市や地元自治会でつくる実行委員会が、新型コロナウイルスの5類移行を受け、6月中旬に実施を決めた。市総務課によると、毎年募っている平和像にささげる千羽鶴は、世界情勢の影響もあってか例年より多く集まったという。

 当日は例年より1時間早め、午後6時から開始。恒例の紙灯籠への点灯や平和音楽祭、「ムッちゃんの歌」合唱などに加え、40回記念として豊の国宇佐市塾の塾生が、終戦近くまで続いた大分空襲について解説する。

 実行委によると、4年ぶりの開催に地元住民の平和への思いも高まる一方、自治会員や子どもの減少などにより継承が課題となっているという。

 河野武実行委員長(79)=大分市中津留=は「地域から世界に平和の大切さを訴えるため、平和祭を継続していくことは使命。津留地区の戦争の歴史を伝えていく場として、守っていきたい」と話している。

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 「ムッちゃん平和祭」に関連して大分市は1日から15日まで、同市金池南のJCOMホルトホール大分で戦争被災展を開く。当時の大分の地図や、戦時中の写真などの資料を展示する。入場無料。

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