【千葉魂】自分知って挑戦を 吉井監督、後半戦へナイン鼓舞 千葉ロッテ

オールスター明け、吉井監督は選手を鼓舞した

 CHALLENGE SKILL。オールスターブレークを終えて選手たちがZOZOマリンスタジアムに戻ってきた7月19日。吉井理人監督はロッカーに全員を集め、おもむろにホワイトボードにそのように書き込んだ。

 「チャレンジすなわちその人の挑戦すべきことであり課題。そしてスキルは自分の力。このバランスが大事。スキルが身についていないのにチャレンジばかりしても何もできない。けど、スキルはあるけど、チャレンジをしない人はもうそれ以上は伸びていかない。少しずつ確実に成長をしていくのはこのバランスが大事なんだ。そしてそのためにも自分を知ることが必要。自分のスキルはどんなもので、そこから考えたらどのようなチャレンジをすべきかとね」

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 まるで学校の先生のように指揮官は手運びできるほどの小さなホワイトボードに書き込みながら優しい口調で説明をした。10分ほどの短い時間。選手たち全員を集めて言葉を発したのは3月31日のホークスとの開幕戦(PayPayドーム)の試合前以来の事だった。

 「ワシもゴルフで出来もしないのに、ロングホールで300ヤード飛ばしたろうとか思って打つと大体、OBになる。そんな技術もないのに、この林の隙間を抜いてグリーンを狙ってやろうと思ってうまくいったことなんてない。自分をしっかりと知ってもらって、何にチャレンジするか考えてほしい」と吉井監督。

 これらの事は2014年から16年に筑波大学の大学院に通っていた時に教えてもらったことだ。「CHALLENGE SKILL」は同じ学生から聞いて、なるほどと思った。「学生と言ってもワシよりはるかに年下やけどね。でも、あの時は全てが新鮮で学びだった」と当時を振り返る。そして今、プロ野球監督として筑波大学大学院で学んだコーチング理論を実践している。

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 「前半戦の最後の方は少しやっている野球にほころびが見えたり、集中力が落ちているようにも感じた。後半戦が始まる前に新しい刺激という意味でも、何か話さないといけないと思った。自分を知ってもらいたい想いと、自分のできる範囲で挑戦してほしいということ」

 チームは後半戦最初のカードで同一カード3連勝と最高のスタートを切った。指揮官が願うように、それぞれが自分を見つめ直し、課題を見つけながら一歩一歩と進んでいるように感じる。夏の本格的な到来と共にペナントレースも佳境へと突入する。言葉を大切にしながらタクトを振る吉井監督がこれからどのような言葉を発し、勝利を積み重ねていくのか。その言葉にも注目していきたい。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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