“小島藩主の書院”150年ぶりに元の位置に かつては地域の公会堂などとして活用=静岡市清水区

静岡市清水区でこのほど、静岡市の指定有形文化財で、小学校の校舎などとして使われていた江戸時代の小島藩主の書院が、約150年ぶりに元の御殿の位置に戻され、棟上げ式が開かれました。

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宝永元年(1704年)、松平信治が駿河国庵原郡小島に陣屋を構えたことが小島藩の始まりです。小島藩は、明治元年(1868年)に上総国(現在の千葉県)に転封になるまでの164年間、一万石の譜代大名として、藩政を展開しました。

廃藩後の1874年、現在の静岡市清水区の小島陣屋跡の敷地内には、小島小学校が設立され、陣屋にあった御殿は校舎の一部として利用されましたが、1928年に小学校移転に伴い、建物のほとんどが取り壊されました。

しかし、御殿の一部である書院は、別の場所に移築され、地元の公会堂とし活用されました。陣屋の御殿建物が現存するのは全国的にも少なく、貴重な存在として2001年に静岡市指定文化財に登録されました。

7月23日、地元の有志によって書院の上棟式が行われ、工事の安全祈願を祈る儀式が執り行われました。地元住民350人ほどが集まり、太鼓の演奏や餅まきなども行われ、小島陣屋跡整備に向けた機運が高まりました。

国指定史跡の小島陣屋跡については、静岡市が2022年度から2023年度にかけ整備事業を進め、書院を元の御殿の位置に移築し、復元する計画が進んでいます。2022年の台風15号の影響などもあり、2024年度以降の完成を目指す方針です。

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