千羽鶴1万2000羽 今年も高校生平和大使に託す 五島の藤原さん 手渡し再開

高校生平和大使に千羽鶴を託した藤原さん(左から2人目)=五島市、藤原さん方

 高校生平和大使に平和を願う千羽鶴を毎年託している長崎県五島市玉之浦町の藤原良子さん(85)が今年も1万2千羽を完成させた。8月下旬にスイス・ジュネーブの国連欧州本部に署名を届ける平和大使ら4人が7月31日、4年ぶりに藤原さん方を訪ね、千羽鶴を受け取った。
 藤原さんは知人の孫が2000年に平和大使に選ばれたのを機に、活動を応援しようと作り始めた。長崎市で被爆した母や姉への思い、病気で亡くした息子への鎮魂も込めて制作。09年には平和運動に功績があった個人などを表彰する「秋月平和賞」を受けた。
 平和大使は毎年、藤原さん方で千羽鶴を受け取り、署名と共に国連に届けていたが、新型コロナウイルス禍のため控えていた。
 訪れたのは、第26代の杉原絢乃さん(16)=県立長崎北陽台高2年=と大澤心春さん(16)=鎮西学院高2年=、25代の安野美乃里さん(17)=県立長崎東高2年=、23代の大隈ゆうかさん(20)。国連でも称賛されるという、4センチ四方の紙で作った色鮮やかな千羽鶴を手渡した。
 藤原さんは「心を込めて折った。みなさんも心を込めて届けて」と激励。杉原さんは「長年作り続けている藤原さんの平和への大きな思いも届けたい」、大澤さんは「世界の人に平和を発信できるよう頑張りたい」と語った。

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