オスプレイ、日本国内の不具合「1件」→「疑い」 米軍が回答を修正 部品の飛行時間は「閾値超」

 米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイのクラッチ不具合に関係する事象「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」の国内発生事例を巡り、在沖米海兵隊は31日、琉球新報に対し29日に回答した内容を更新するとし「HCEの疑いはあるが、確認には至っていない。現在、技術的な調査が進行中」だと説明した。本紙の質問に対し「現在までに日本で確認されたHCE事例は1件」と29日に回答した内容から軌道修正した。

 米海兵隊が21日公表した昨年6月に米カリフォルニア州で発生した墜落事故の報告書は、HCEが800時間以上飛行した特定部品を有する機体で発生する傾向があると説明していた。

 HCEの疑いがある国内発生事例に関する31日の修正回答で、在沖米海兵隊は機体の安全対策は行っていたとしつつ、機体の特定部品の飛行時間は「(現在設定されている800時間の)閾値(いきち)を超えていた」と明らかにした。HCEの発生を改めて示唆した。

 今回の事例に関する報道を受け県は31日、沖縄防衛局に対してHCE発生の詳細を確認する質問をした。

 一方、防衛省は31日、本紙の取材に「米側からは日本国内でHCEや疑われる事例があったとは聞いていない」と答えた。国内発生事例に関する報道を受けて米側に事実関係を確認しているという。

(知念征尚、明真南斗)

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