学力テスト 中3国語、茨城県5位 算数、平均下回る

2023年度全国学力テスト茨城県公立校正答率

文部科学省は31日、小学6年と中学3年の全員対象で4月に行った2023年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。茨城県教委によると、茨城県公立校の正答率は中3国語が前年に続いて全国5位だった。4年ぶりに実施した中3英語は15位。小6算数は全国平均をわずかに下回り、27位だった。

茨城県の平均正答率は、小6は国語が67%(全国67.2%)、算数が61%(62.5%)。中3では国語が71%(69.8%)、数学が51%(51.0%)、英語が45%(45.6%)だった。都道府県の正答率は競争をあおらないようにとの配慮から、文科省が小数点以下を四捨五入して公表している。

県教委は文科省の公表結果を基に全国順位を割り出した。小6は国語が17位、算数が27位。中3は国語が5位で、数学と英語がともに15位だった。22年度と比べると、小6国語の順位を六つ上げ、中3数学は13上げて10位台に入った。小6算数と4年ぶりに実施した中3英語は順位が下がった。

茨城県の設問ごとの正答率を見ると、中3国語では思考や判断、表現力に関する問題で正答8~9割の好成績が際立った。一方、小中で共通して国語では、文脈に沿った漢字を正しく書く力、算数・数学では、図形の性質を理解して公式に基づいた思考判断の力に課題が残った。英語は、正確に文法を理解して自分の考えをまとめる問題で7.7%(全国7.4%)と10%を下回り、全国と同様の課題が浮き彫りとなった。

正答率が低かった該当事例は、小6国語の「自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫する」の設問が35.5%、算数の「底辺と面積の関係を基に面積の大小を判断し、理由を言葉や数を用いて記述できるかどうか」の設問が25.3%、中3数学の「事柄が成り立つことを構想に基づいて証明することができるか」の設問が29.6%など。

県内では公立小461校の計2万1927人、公立中233校の計2万1642人が参加した。

県教委義務教育課は「結果の分析を進め、学力向上の対策につなげたい」としている。

© 株式会社茨城新聞社