「なんてチャンスが少ない世界」U-10世代の全国大会「4v4」を考案の本田圭佑が発起人としての想いを語る「サッカー界への疑問や不満、日本社会への疑問や不満を…」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

1日、本田圭佑がU-10のためのサッカー全国大会である「4v4」の開催を発表した。

「4v4」は、4人制のサッカーで小学4年生以下が対象。10分1本勝負の超攻撃的サッカーが特徴だ。

フットサルのルールをベースに、独自のルールを加えた新たな大会に。バスケットボールのように、「ショットクロック」として20秒以内にシュートを打たなければいけないルールや、自陣からのゴールは無効となり、GKは攻撃に参加することもできる。また、ペナルティエリア外からは2点、ペナルティエリア内からは3点と得点数も異なるため、戦略が試されることとなる。

また、交代は自由で1チームは6人戦。さらに、監督やコーチはおらず、全てを子供たちが決めるという自主性を重んじるものとなる。

8月1日から11月30日まで全国大会に向けた予選がスタート。200以上の大会が全国各地で行われることとなり、予選を突破した48チームが全国大会に出場する。

予選の方式は2つあり、ゴールドランクの大会で優勝した16チームと、残りの32チームは全国の予選で集めたポイントが高い上位32チームとなり、予選で敗れても他の予選に出場してポイントを稼ぐことで、全国大会に出場できる可能性がある。

なお、決勝トーナメントは2023年12月24日(日)・25日(月)に、決勝戦は2023年12月26日(火)に開催。それぞれ、「SPORTS BULL」、「ABEMA」で無料ライブ配信される。また、優勝したチームは本田圭佑が率いるスペシャルプロチームに挑戦する「スペシャルマッチ」の切符を手にすることとなる。

1日には記者会見を行い本田が登壇。「4v4」の大会を設立した経緯について、「自身のスクールで小学4年生を見ることがあり、彼らに全国大会がないということ。U-12の大会でみんなプレーできるんですが、小学生世代は1学年違うとかなりの体格差があり、U-12の大会というのは5、6年生の大会と事実上になっている」とコメント。「彼らの活躍の場がないということで、全国大会を作ってみようじゃないかと」と、この大会の設立に動いたとした。

また、「サッカー界への疑問や不満、日本社会への疑問や不満を子供のサッカーの大会を通じて、少しでも良い方向に帰るようなものにしたいなと」と意義を語り、「競技的にも、大会的にも新しい仕組みにした」と、大会のルールや試合のルールを変えた理由を明かした。

本田が特に注目してもらいたいのは、全国大会に向けた予選の方式。全国大会といえば、都道府県から1チームというのが大半を占め、そうではない場合でも地域から数チームという括りになることが多い。

しかし、今回は予選優勝チームが出場できる枠に加え、ポイント制で出場できる要素を残している。本田は「僕自身もU-12で予選を戦った人間の1人ですが、あっさり敗戦してしまった記憶があります。僕のU-12の大会は終わりました」と自身の経験を語り、「なんてチャンスが少ない世界なんだと。失敗しても、負けたとしても、次勝てば良いじゃないかという子供たちを1人でも増やす大会にしたい」と、予選で負けて終わるという形を取らない形を採用したと明かした。

今大会を通じては「サッカー選手の育成はもちろん、1人でも多くのユニークな、将来日本を背負っていくような人材を輩出できれば、発起人として嬉しいことはないなと思います」と語り、新たな形で子供たちの可能性を見出したい考えを語った。

なお、「4v4」のサプライヤーとして「ユニクロ」と契約。全国大会出場の48チームに、ウェアを提供するほか、優勝したチームに贈られる商品や、大会運営に必要なウェアも提供するという。

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