【2023年路線価】都道府県別での上昇率ベスト3は北海道、福岡県、宮城県。調査地点の上昇率で全国トップは久留米市東町の19.1%増

相続税や贈与税の算定基準として用いられる不動産価格が路線価です、国税庁が先日、発表した路線価における都道府県別での平均上昇率では、第1位北海道、第2位福岡県、第3位宮城県という順位でした。そして、調査地点での上昇率での全国トップは久留米市東町でした。

4.5%増の福岡県は47都道府県で全国2位、8年連続で上昇

43年連続で福岡県の路線価でトップの福岡市中央区天神2丁目の渡辺通り

相続税や贈与税の算定基準となる路線価は毎年7月、国税庁から発表される。
今回、発表された2023年分の路線価では、全国31万6,000地点における平均変動率は前年比1.5%増となり、2年連続の上昇だった。
47都道府県別でみると、北海道6.8%増、福岡県4.5%増、宮城県4.4%増が、路線価の平均上昇率でトップ3となっている。

8年連続で路線価が上昇した福岡県内で最も路線価が高かった地点は、福岡市中央区天神2丁目の渡辺通りだった。
同地点では、1平方メートルあたりで前年比2.7%増の904万円となっており、43年連続で福岡県内でトップとなっている。

路線価上昇率トップは福岡県久留米市東町

一方、路線価の上昇率において、台湾半導体大手TSMCの進出で沸く菊陽町の19.0%増を抑えて全国トップとなったのは、久留米市東町の西鉄久留米駅前通りの19.1%増だった。

久留米市が、2023年の路線価上昇率において全国トップになった点について、不動産関係者からは、次のような声が聞かれた。

不動産関係者

福岡県久留米市東町付近は、福岡市への通勤や通学が便利であり、マンション用地の需要が従来、堅調でした。

そして昨今、福岡市内でのマンション用地の確保が困難になったマンション業者による、西鉄久留米駅周辺での高額取引がみられるようになりました。

このため、福岡市内におけるマンション用地高騰の余波が、久留米市内にも及んでいる感があるといえるのではないでしょうか

路線価も含めて、一物四価とも呼ばれる不動産価値とは何か

同一の土地であっても、目的や評価方法によって不動産価値は異なってくる。
不動産価値のベースになっているのは、〝時価〟である。
つまり、実社会において、いくらで取引されているかが、一つの判断基準になるのだ。

時価に基づいて、公示地価、基準地価、相続税路線価、固定資産税評価額が決められており、時として一物四価ともいわれることがある。
4つの不動産価格を整理すると、次のようになる。

【公示地価】毎年1月1日時点での土地の標準価格を国土交通省が毎年3月下旬に公表する。
公示地価は土地の基本的な価格であり、土地取引の目安とされる。

【基準地価】毎年7月1日時点での地価を各都道府県が9月下旬に公表する。
基準地価の公表は公示地価の半年後であり、地価変動を補完する役割も担う。

相続税路線価】国税庁が実施して、公示価格の8割。

【固定資産税評価額】固定資産税を徴収する市町村(東京23区は東京都)が実施し、公示価格の7割をめどとする。

相続税路線価、固定資産税路線価は、公示地価を基準にしており、地価の最上位基準は、公示地価である。

参照サイト

財産評価基準書路線価図・評価倍率表 令和5年分財産評価基準を見る
https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

財産評価基準書路線価図・評価倍率表 福岡県 財産評価基準書目次
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r05/fukuoka/fukuoka/pref_frm.htm

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