【シンガポール】三井化学、高機能エラストマー工場着工[化学]

三井化学は、シンガポールで自動車用部品などに使われる高機能エラストマー「タフマー」の新プラントの起工式を実施した(同社提供)

三井化学は1日、シンガポールで新プラントの起工式を実施したと発表した。自動車用部品などに使われる高機能エラストマー「タフマー」の需要拡大に対応する。

シンガポールの完全子会社、三井エラストマーズシンガポール(MELS)の新プラントとして7月28日、西部ジュロン島で起工式を行った。年産能力12万トン。2024年度中に完工する予定だ。投資額は明らかにしていない。

ジュロン島にある既存設備の年産能力は22万5,000トンで、現地での生産能力を現在比で5割超増やす。

タフマーは、樹脂の性質を向上させる樹脂改良材、軟質成形材料だ。柔軟かつ軽量で、自動車用部品、太陽電池関連部材、包装資材、エンジニアリングプラスチック改質材、スポーツシューズなど幅広い分野で使われている。

三井化学は自動車産業向け製品などを扱うモビリティソリューション事業の経営戦略で、特徴ある材料や機能、サービスの提供を通じた社会課題解決への貢献、持続的な事業成長を謳(うた)っている。世界的なクリーンエネルギーの導入などを追い風に今後、タフマーの需要が堅調に推移すると見込まれることから、新プラントの開設を決めた。

© 株式会社NNA