公務で超小型EV「C+pod」使用 12月下旬まで実証実験 射水市

品川社長(左)から鍵を受け取る夏野市長=射水市役所

 射水市の夏野元志市長は1日、市役所で会見し、カーボンニュートラルの実現に向け、超小型EV「C+pod(シーポッド)」を公務で活用する実証実験を同日から始めたと報告した。トヨタモビリティ富山と連携した事業で、公務で使用するのは県内の自治体では初めて。

 同市では2月、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「射水市ゼロカーボンシティ」を宣言しており、2030年までに公用車の100%電動化を目標にしている。シーポッドは乗車定員が2人で、1度のフル充電で150キロ走行できる。

 温室効果ガス排出量の削減に加え、新湊地区など狭い道路の通行、非常時の電源確保なども期待される。実験期間は12月28日までで、職員の庁舎間移動や訪問事業などで使用する。会見後に行われたセレモニーで、トヨタモビリティ富山の品川祐一郎社長から鍵を受け取った夏野市長が「EV車が市内を走ることで市民が環境の取り組みを考える機会にしていきたい」と述べた。

 

  ●9月に市長らが台湾・士林区訪問

 夏野市長は9月に友好都市である台湾・台北市士林区を訪問する計画を示した。来年度、射水市で行う友好連携5周年記念式典の協議や国際文化フェスティバルでのPRなどを行う。

 夏野市長の士林区訪問は4年振り2度目で、山崎晋次市議会議長や国際交流コーディネーターの陳啓徳さんと共に活動する。9月15日に台北市長や日本台湾交流協会台北事務所を訪ね、16日に士林区長と懇談し、17日に帰国する。

 

  ●水門操作、遠隔を検討 和田川の内水氾濫受け

 7月12日夜に発生した線状降水帯の影響で、和田川周辺の民家が床下浸水したことについて、夏野市長は和田川ダムを緊急放流したことで和田川の水が水門を通して逆流し、地域に流れたとの認識を示し、「水位が上がった状態で水門を閉めることで、水位に及ぼす影響が未確定だった」と述べ、水門閉鎖の影響を考慮し、閉じられなかったとした。開閉時の影響を検証するとした上で、今後、水門の確認や操作を遠隔で操作する仕組みへの変更を検討する考えを示した。

 

  ●「こども応援」宣言

 夏野市長はこども家庭庁が目指す「こどもまんなか社会」の趣旨に賛同し、7月31日、「こどもまんなか応援サポーター」宣言を行ったと報告した。今後、各課で申請に訪れた子ども連れ世帯のサポートを進めていく計画で、活動内容をインスタグラムや簡易投稿サイト「X(旧ツイッター)」で発信し、子育てしやすいまちづくりにつなげていく。

 

  ●青年市長会顧問に

 全国青年市長会で会長を務める夏野市長は18日に岐阜県で開催される総会で顧問職に退く。1年間の活動を振り返った夏野市長は「今回の経験を射水市民の幸せに生かしていきたい」とした。

© 株式会社北國新聞社