豪華、高岡漆器ギター 漆、螺鈿の技生かし 信州の祭りで披露

高岡の伝統工芸の技術が生かされたギターを手にする(右から)武蔵川さん、太田さん、角田市長、田中市議=高岡市役所

 高岡漆器の技術を生かしたエレキギターが完成した。漆黒のボディーに華やかな螺鈿(らでん)の細工を施した豪華な仕上がりで、9月30日から2日間、長野県松本市で開催される信州ギター祭りで公開される。全国から集う愛好家に高岡が誇る伝統工芸の魅力を伝える。

 高岡市出身で、信州ギター祭り実行委員会の代表を務める太田幹雄さん(49)が伝統工芸高岡漆器協同組合に製作を依頼した。ギター本体は国産ブランド「MOMOSE(モモセ)」を使用し、華麗な高岡漆器の装飾が施された。

 1日、市役所に角田悠紀市長を訪ねた太田さんは「螺鈿細工のギターがあれば面白いと思った。展示用としても需要がある」とアピールした。太田さんによると、長野県は国内のシェアの半分を占めるギター産地で、ギター祭りには例年、全国から多くのファンが駆け付けるという。

 販売価格は37万2900円(税込み)から。組合の柴田治之理事長、伝統工芸士の武蔵川剛嗣さん、田中勝文市議が同行した。

  ●ふるさと納税の高額返礼品に

 「伝統工芸の新しい形だ」。ギターの出来栄えをたたえた角田市長。「価格はいくら」「製作日数は」と興味津々に質問を重ね、「何度か挑戦したけど、弾けなかったなあ」と明かしながらギターを手に記念撮影に応じた。その後も「床の間に飾れる」「モダンでかっこいい」と絶賛。「ふるさと納税の高額返礼品にできないか」と提案も飛び出すなど大変気に入った様子。(と)

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