幕末の帆船「大野丸」パネルで福井県大野市の歴史を発信 市民グループ、七間通り沿いに設置目指す

新装版の小説「越前大野丸」とチラシを手に支援を呼びかける塗茂ひろ美代表=7月、福井県大野市内

 幕末の大野藩の財政再建に活躍した帆船「大野丸」などを描いた小説の新装版を発行した福井県大野市の市民グループ「魅せる城下町を創造する会」が、冊子製作費などを募り大野丸のイラストを描いたパネルを市内に設置する計画を進めている。福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で資金を募っている。締め切りは8月26日。

 大野丸は樺太開拓のため1858(安政5)年に建造された西洋式の大型船。幕末期に交易による財政立て直しに寄与したとされる。同グループは、大野藩の幕末の偉人内山良休が大野丸で藩政改革に奔走する姿を描いた作家、故大島昌宏さん(福井市出身)の歴史小説「そろばん武士道」を新装版「越前大野丸」として昨年11月に千部発行。地元の小中学校などに配布した。

 クラウドファンディングは冊子の製作費に充てる目標額60万円を既に達成。ネクストゴールを設定し、大野市の七間通り沿いに大野丸をデザインしたパネルを設ける計画という。返礼品は再発行した冊子「越前大野丸」など。

 同グループの塗茂ひろ美代表は「市民が大野の歴史の魅力を学び、誇りを持って観光客を迎えられる環境を整えたい。観光客に大野の歴史の奥深さも知ってほしい」と話している。支援は「ミラカナ」の特設ページから申し込める。

 ◇ミラカナとは 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして福井新聞社、福井銀行、福邦銀行が連携。CFのレディーフォー、応援購入サービスのマクアケいずれかを通じて支援・購入を募る。累計支援額は1億7千万円、プロジェクトの達成率は92%(数字は2023年3月末時点)。

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