メジャーリーグサッカー(MLS)のニューヨーク・レッドブルズとキットサプライヤーのadidasは1日、2023シーズンの新サードユニフォームを発表した。
今回のユニフォームはホームタウンのニューヨークで誕生した音楽ジャンル「Hip-Hop(ヒップホップ)」の50周年を祝うデザインとなっている。
New York Red Bulls 2023 adidas Third
ニューヨーク・レッドブルズ 2023 adidas サード ユニフォーム
“フリースタイルキット”と名付けられ、グラフィカルなデザインが目を引く2023新サードユニフォーム。このグラフィックはヒップホップの誕生50周年を祝したもので、建物や電車などニューヨークの街中の至る所で見られる“落書き”に触発されている。
グラフィックを構成する文字は「Hip Hop」「1973」「2023」「NY Red Bulls」。キット名の“フリースタイル”は、もちろんラップのフリースタイルを示すものだろう。
1973年8月にニューヨークの一角でスタートしたヒップホップ。音楽の一ジャンルとして注目されるのはその数年後のことだが、RUN-DMC、Public Enemy、白人ラッパーの元祖Beastie Boysなど、MTV全盛時代の80年代音楽シーンを席巻したヒップホップは世界中へと広まり、ここ日本でも多くのミュージシャンが誕生している。
そんなフリースタイルキットの裾部分には50周年を祝うタブが付くが、よく見るとデザインはアメリカの音楽が好きな方ならお馴染みの“あの黒白マーク”にそっくり!
シャツの左裾に付く50周年を祝うタブ。黒-白-黒の3本線で構成するデザインだが、これはアメリカのCDでよく見かける“Parental Advisory”マークそのものだ。
アメリカの輸入盤CDなどを買う方ならよくご存知かもしれない“Parental Advisory”。1985年にペアレンツ・ミュージック・リソース・センター(PMRC)という市民団体の圧力により導入された検閲制度だ。
1990年から使われている黒白マークは歌詞に過激な内容が含まれるCDなどのパッケージに表示されるもの。90年代は主にヒップホップとヘヴィメタル系バンドが“攻撃対象”だったが、ラウドロック系でもよく見かけるようになった。
検閲制度の開始以降、とくに80年代は表現の自由をかけてミュージシャンはPMRCと激しく戦っていた。その歴史とも言える黒白マークを、50周年を祝うデザインに採用するセンスとユーモアが最高である。
そして今回のキットカラー自体も、おそらくは“Parental Advisory”を意識したものなのだろう。50年生き抜いたヒップホップの本場ニューヨークからの、ちょっとした逆襲なのかもしれない。
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このフリースタイルキットはクラブ公式オンラインストアやadidasオンラインストアで販売中。
気になる実戦デビューは現地時間8月26日の試合で、相手はリオネル・メッシの加入で話題のインテル・マイアミだ。
レアで懐かしいユニフォームが揃う「Qoly × LFB Vintage」。“あの頃”を思い出すユニの数々は見るだけでも楽しいはず!