【きらら浜 野鳥手帖】 No.53「ソリハシシギ」

チドリ目 シギ科 [全長] 23cm [時期] 春と秋に見られる旅鳥

 シギ科の多くは夏に北で繁殖し、南で越冬します。その移動途中にあたる山口県では、春と秋に多くの鳥たちを見ることができますが、秋の渡り一番乗りの種類の一つがソリハシシギです。

 長く上に反った嘴(くちばし)を持ち、シギの仲間としては短めの足で、頭を低く下げて忙しく干潟を駆け回る姿は「車高短(シャコタン)」のスポーツカーのよう。干潟を爆走していたかと思えば、ドリフト走行のようにターンを効かせて素早くカニを捕らえます。使いにくそうな形の嘴ですが、カニの穴に刺しこみ、つまみ出すこともできます。群れも小さく目立たない鳥の、コミカルな動きは印象に残ること間違いありません。

新光産業きらら浜自然観察公園 高尾 はるか

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