男子早大生で初の“日本一” 中野麟太朗のキャンパスライフ

早大2年の中野麟太朗(撮影/桂川洋一)

◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 事前情報(2日)◇横浜CC(神奈川)◇パー71(7231yd)

3限目まではみっちり授業、ゴルフの練習はその後で、というのが中野麟太朗(なかの・りんたろう/早大2年)の毎日だ。6月末に「日本アマチュア選手権」で優勝した19歳は、忙しくも充実した学生生活を送っている。

早大の男子学生として初めてアマチュア日本一のタイトルを獲得した中野のキャリアはちょっと“異例”。出身高校は明大中野で、そもそも「僕にプロゴルファーになるビジョンはなかった」と、多くの同級生と同じように付属の明大に進学するつもりだった。

気持ちに変化が表れたのが3年生の頃。「全国高校選手権」を制し、進路を考えるうちに大学選びに真剣になった。明大のゴルフ部も名門には違いないが、アスリートとしての成長を学問の面からも後押ししてくれそうな早大のスポーツ科学部に惹かれたという。明大への推薦ルートが閉ざされても、「それでも行きたいと思いました」と退路を断って、願書を提出、自己推薦制度で入学にこぎつけた。

2年生になった今年、講義も少しずつ専門化が進んでいる。運動生理学やトレーニング論の勉強が自分に役立つと実感しつつ、授業についていくのに必死だ。「『コンディショニング・デザイン』という科目があって、一日のトレーニング計画を立てたりするんです。難しくて、友達がいなかったら、ダメになってます(笑)」

その友人たちこそが今ある財産。あらゆる種目の学生アスリートが周りにいて、「刺激がありがたい」と思う。ラグビー、水泳、スキーに打ち込む仲間はみんな全国トップレベル。「(アマチュアゴルファー)日本一になったんですけど、周りも日本一だらけ。そういう友達がいて良かった」と優勝の余韻に浸る時間はない。

ビッグタイトルを獲って初めて臨むツアー大会が3日(木)に開幕する。今はもう、プロゴルファーになるビジョンは鮮明だ。「いつプロになってもいいように、こういう大会をプレーしたい。上の順位で、有名なプロの方と回って、皆さんに見てもらえたらうれしい」と口元を引き締めた。(横浜市保土ケ谷区/桂川洋一)

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