【フィリピン】新型コロナの入国制限終了[経済] 大統領宣言受け、事前登録は継続

ニノイ・アキノ国際空港は混雑が戻っている=7月、マニラ首都圏(NNA撮影)

フィリピン政府は新型コロナウイルス対策で実施していた入国制限を終了した。マルコス大統領が公衆衛生上の緊急事態宣言を解除したことに伴い、3年以上にわたった空港などでの水際対策を撤廃した。一方で入国手続きに必要な渡航情報や一般的な健康状態の入力に関しては、引き続き搭乗前に政府公式サイトでの事前登録を求めている。

保健省傘下の検疫局の関係者が2日、NNAに対し明らかにした。入国手続きに関しては搭乗前の72時間以内に政府サイト「eトラベル」で必要情報の入力を求めているが、新型コロナ関連の検疫項目を削除した。

検疫局の関係者は「新型コロナ関連の検疫・規則は全て終了した」と説明した。eトラベルは入国審査と連動しているため、渡航情報と一般的な健康状態の登録は今後も継続していく方針を示した。

マルコス氏は7月21日付で公衆衛生上の緊急事態宣言を解除した。全ての新型コロナ規制は停止、もしくは無効になるとした。

検疫局は22日付で今後の検疫に関する内部通達を出した。ただ航空会社には届いておらず、各社は当局への問い合わせやeトラベル上の修正から方針の変更を確認したようだ。

マニラ首都圏のニノイ・アキノ国際空港(NAIA)では、日本航空が第1ターミナル、全日本空輸が第3ターミナルに乗り入れている。全日空マニラ支店の関係者は「ようやく新型コロナ発生前と同じ状況に戻った」と話した。日航マニラ支店の関係者も「入国制限が終わり、空港は混雑している」と指摘した。

水際対策ではこれまで、新型コロナの検疫に関する項目でワクチン接種者は回数やブランドなど詳細の入力が求められていた。2回の接種を完了していない人は24時間以内に実施した抗原検査の陰性証明を提示するか、到着時に空港で検査を受ける必要があった。

登録が終わるとメールアドレスにQRコードが送られ、接種者は緑色、接種を完了していない人は赤色が表示されていた。現在は基本的に、全ての渡航者に緑色が表示されるようになっている。ただ「過去30日間で病気になったことがある」の項目に印を付けると赤色になる。

空港到着後の手続きの流れも変わっている。以前は入国審査の前に検疫ブースがあり、eトラベルのQRコードを提示する必要があった。現在はブースの大半が撤去され、健康に問題がある人のみに対応するよう切り替わっている。

渡航者は検疫ブースでのチェックはなく、入国審査に進めるようになっている。事前登録したQRコードは入国管理局の担当官が確認する可能性があるものの、提示を求められることは少ないようだ。

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