佐賀市春日北校区の乗り合いタクシー本格運行 「きたきた号」買い物や通院の活用期待

おそろいのシャツを着て「きたきた号」に乗り込む久納まゆみさん(右)ら=佐賀市大和町の春日北公民館

 佐賀市大和町春日北校区の予約制乗り合いタクシー「春日北デマンドタクシー」の本格運行が2日、始まった。春日北公民館でセレモニーが行われ、地元の児童が考えた愛称「きたきた号」が発表された。

 タクシーは9人乗りで1日最大13便を運行する。1乗車当たりの料金は400円で、年間千円のパス券を購入すれば、1回100円で乗車できる。

 佐賀市などによると、同校区では住民の約7割が路線バスの停留所から直線距離で500メートル以上離れた「公共交通空白地域」に暮らしており、住民らでつくる検討会が2年以上かけて乗り合いタクシーの導入を議論してきた。

 セレモニーでは鈴木宏一郎副市長らが祝辞を述べ、関係者や地域住民ら約50人が「きたきた号」の出発を拍手で見送った。初の乗客となった同市の久納まゆみさん(67)は、おそろいのTシャツを作って友人2人とタクシーに乗り込んだ。久納さんは「商業施設に行ったり、通院したりするのが便利になる。値段も安くて利用しやすい」と喜んだ。

 同校区自治会長会の香田清博会長(72)は「事故防止のため免許返納を考える高齢者も多い。新たな移動手段として利用してほしい」と話した。(上田遊知)

本格運行開始を祝って多くの住民らが参加したセレモニー=佐賀市大和町の春日北公民館

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