小学校プール最新事情“あり方に変化”夏休みプール開放中止や市営プール活用の試みも… 静岡県

小学校のプールの“あり方に変化”がでてきています。静岡・御殿場市では夏休みの「プール開放」を全校で中止に…。袋井市では“プールの老朽化”が問題となっていて「市営プールの活用」が始まっています。

御殿場市の小学校。2023年度、市内の全ての小学校で「夏休みのプール開放」が中止となりました。

(御殿場小学校 佐々木 直行 校長)

「プールを開放していれば、たくさんの子どもたちがプールに入っている時間になり ます、今開放していないので子どもの姿がありません」

小学校の「夏休みのプール開放」は、その学校に通う児童を対象とし「先生に泳ぎ方を教えてもらったり」「自由にプールで遊ぶこと」ができるもの…。参加は自由で、御殿場市では夏休み中の10日間ほど「プール開放」を行っていました、しかし、2022年までの3年間はコロナの影響で中止に…。2023年は“5類に移行され”4年ぶりの開催を検討していましたが校長会で協議した結果、市内の全小学校10校で中止が決定しました。

理由は主に2つ。学校と自宅の行き帰りでは片道数十分かかる児童もいて、「熱中症リスクが高まる」こと。また、学校のプールの授業では担任が一人一人の“泳ぐ力”やその日の体調を把握していますが、「プール開放」では、担任以外の教員や保護者が監視にあたるため、「健康など不測の事態に的確に対応することが難しい」からだといいます。

(御殿場小学校 佐々木 直行 校長)

「プールは子どもたちにとって楽しい思い出の一つですし、水の中でしかできないこともたくさんあります」「楽しさと命の安全を比べたとき に命の方が重いそのような結論に達しました」

一方、袋井市の小学校では“プールの老朽化”が問題となっています。

(市立浅羽北小学校 押方 歩 体育主任)

「プールの中の塗装が剥がれてい たり、汚れがプール掃除をしても落ちない」

浅羽北小学校のプールの築年数は2023年で50年…。市内の小学校12校の内、7校のプールが築年数30年以上…、老朽化が進んでいるといいます。そこで市が取り組んでいるのが“市営プール”をいかした水泳の授業。現在、4校で実施されています。浅羽北小学校の市営のプールの活用は2023年度から。バスで10分ほどの場所です。

(市立浅羽北小学校 押方 歩 体育主任)

「雨や熱中症リスクで暑い日にプールが中止にならずに、子どもたちが安心安全に楽しくできるのが移行のメリットかなと感じます」

また、市営プールでは教員と普段は市民に教えるインストラクターも指導に加わり、“泳力の向上”にも期待が寄せられています。さらに、準備などの負担も減ったといいます。

(市立浅羽北小学校 押方 歩 体育主任)

「水質管理を毎日やっていた、暑い日には毎時間プールサイド に来て水をまいていた、そういった負担も軽減した」「(その分)子どもたちの時間に 使える、子どもたちのためになっていると思う」

袋井市によりますと、学校のプールの改修や維持管理費は1校あたり年間 約400万円かかっていますが、市営プールを使うと300万円削減できるということです。市では今後5年で、プールの築年数が40年を超える学校4校についても市営プールへの切り替えを検討しています。

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