土石流から2年1か月 被災地で犠牲者悼む 9月の警戒区域解除を控え被災者は複雑な思い… 静岡・熱海市

静岡・熱海市の土石流災害から3日で2年1か月、被災地では、黙とうを捧げ、犠牲者を悼みました。

伊豆山地区の警戒区域は9月1日に解除されますが、家に帰れない被災者は複雑な思いを抱えています。

月命日の3日、被災地では、土石流が発生した午前10時半ごろ、被災者や遺族が黙とうを捧げました。

2021年7月3日、熱海市伊豆山で起きた土石流災害では災害関連死を含め28人が亡くなりました。伊豆山地区の警戒区域は来月1日に解除される予定ですが、今も120世帯、212人が避難生活を強いられています。月命日には欠かさず黙とうに訪れている、小松こづ江さんです。

(小松こづ江さん)

「ここです ここの古い石垣のところが全部自宅です」「ここからは(警戒区域に)なっていない、みなさん住んでいる」

生まれて以来73年、ずっと伊豆山で暮らしてきた小松さん。9月1日に警戒区域が解除されますが、自宅の石垣などが崩れ、基礎から工事する必要があるため、すぐに住み始めるのは難しい状況だといいます。

(小松こづ江さん)

「帰れないです」「本当はここも危ないのであればほかのところに行かないといけないのかもしれない」「だけども自分の思い出だけがある」「帰れるなら帰りたい」

その後、小松さんは、斉藤市長と面会するため、熱海市役所へ。

(小松こづ江さん)

「陳情書を出したので、家のこととか、道のこととか、疑問点を市長にお話ししようと思って」

復興計画をめぐっては、方針が二転三転する市に対し、6月、被災者が斉藤市長と個別の面会を求め、要望書を提出。8月3日、小松さんも市長との面会が実現しました。面会開始から約2時間後、市長室から出てきた小松さん。市長からは、市が9割を負担して家の石垣を補修するという話があったということですが、家に戻るにはまだ時間がかかりそうです。

(小松こづ江さん)

「みんなの話を吸い上げて、市長に話をもっていくことは重要なので」「吸い上げてくださいと言ったら『そうします』と言っていただけた」「安全なところにしていただいて早く帰りたい、そこだけです」

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