原爆詩人・栗原貞子さんの詩、「生ましめんかな」は原爆投下直後の地下室で、赤ちゃんが生まれたという実話をもとにしています。
この実話に励まされ、後に助産師になった少女の物語が紙芝居になり、広島で初めて上演されました。
子どもたちの前で紙芝居を上演した、藤田ヨシエさん。普段は東京で読み聞かせ活動をしています。
栗原貞子さんの代表作、「生ましめんかな」の題材にもなった、原爆投下直後の地下室で、大けがをした助産師の助けで赤ちゃんが生まれたという実話。
紙芝居はこの実話を伝え聞いた被爆した少女が、自らも助産師を目指す、というものです。
少女は実際に助産師となり、いまは東京で暮らしています。
藤田さんは、この助産師と知り合ったことをきっかけに、紙芝居作品にしました。
完成して6年。広島でこの紙芝居を披露するのは初めてのことです。
紙芝居を見た子どもたちは・・・
「みんなが助け合って生きているということがわかったので良かったです」
「原爆の中、地下室で他の人に(協力を)頼んで、助産師さんが赤ちゃんを産ませるのをがんばってやっているのがいいなと思いました」
藤田ヨシエさん
「生まれるっていうことが、人の希望につながていくっていうことが、きょうの子ども達はつかんでくれたかな、という風に、その手応えは感じました」
実際に、地下室で誕生したあの時の”赤ちゃん”・・・小嶋和子さんも、会場を訪れていました。藤田さんが紙芝居をぜひ見せたかった人です。
藤田ヨシエさん
「まだ(小嶋さんには)感想をうかがってないので、ちょっとドキドキしてますけど」
小嶋和子さん
「自分のことを言ってもらってるから、自分がその中に入っていきましたけどね」
藤田さんは、今も東京でご近所付き合いをしているという ”助産師になった少女” と、次は一緒に広島を訪れたいと話していました。