写真でたどる「広島の記憶」 戦前の暮らしから原爆投下後の復興まで アメリカ側が見た「ヒロシマ」も 広島市の美術館で特別展

戦前からの「広島の記憶」を写真や絵葉書などでたどる特別展が広島市で開かれています。

広島市西区にある泉美術館で開催している特別展「広島の記憶」です。原爆が投下された後の広島だけでなく、戦前の暮らしから知ってもらおうと企画されました。戦前の暮らしは、個人が所有していた絵葉書や写真でたどっています。

今回の特別展では、写真家・土門拳さんのコーナーも設けられました。土門さんは、被爆から12年後に広島に入り、原爆の後遺症に苦しむ被爆者たちの姿をフィルムに収めました。土門さんが撮影する際に感じたことなどを記した取材ノートの内容も合わせて展示しています。

小笠原真穂 記者
「戦前・戦後の広島の様子だけでなく、アメリカ側が広島をどう伝えていたかがわかる展示もあります」

戦後、日本だけでなく、アメリカの新聞や雑誌でも、原爆の実態については報道規制がなされていました。

NPO法人広島写真保存活用の会 松浦康高 代表
「日本の国民も、アメリカの国民も知らされていなかった。これが今の不安定な世の中を生んでいる」

このほか、原爆の投下目標を広島に決める経緯が分かるアメリカ軍の資料なども見ることができます。

訪れた人たち
「ここまでよく復興したなというのがこれを見て特に感じました」
「日本の人が、特に若い人が知る必要がある」

この特別展は、8月27日まで開催されています。

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