「足柄だと駐車スペースがなくなりやすい」東名高速 路肩停車が原因で死亡事故 背景にトラックの“時間調整”か

8月3日未明、東名高速道路上り線のサービスエリアに入る道路で、路肩に止まっていたトラックに別のトラックが追突し、運転手が死亡する事故がありました。禁止しているはずの高速道路の路肩への停車。これからレジャーの季節に注意が必要です。

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かなりのスピードで衝突したのでしょうか。トラックのフロント部分は無残に大破しています。

3日午前3時45分頃、静岡県御殿場市深沢の東名高速道路上り線足柄サービスエリアで、流入道路の路肩に停止していたとみられる大型トラックに後ろから走ってきた大型トラックが突っ込みました。突っ込んだトラックの運転手は死亡しました。

高速道路では、路肩への駐停車が原則禁止されています。なぜ、トラックは路肩に停車していたのか。静岡県トラック協会は、次のような理由があったのではないかと指摘します。

<静岡県トラック協会 小林一仁統括部長>
「首都圏に入る荷物は多い。朝に到着する車があれば時間の調整場所ということで足柄SAが選ばれて、休憩を兼ねて時間調整も兼ねて停まるということはあろうかなと思う」

2022年4月の上り線の足柄サービスエリアに停まった大型車の台数を調べると、定められた352台のマスを超える時間帯もありました。

長距離ドライバーは4時間運転したら、30分の休憩をとることが法令で決められています。さまざまな時間を調整するため、トラックがサービスエリアなどに集中する時間帯に路肩に止まる車が出てしまうのが実情なんだそうです。ただ、路肩の駐停車は繰り返しますが法律違反です。

<静岡県トラック協会 小林一仁統括部長>
「違反・危険な行為だと思っていても、そこに止めてしまう、現に事故が起きているので、そういうことはあるとは思う」

悲惨な事故の原因となり得る路肩の停車。今後、レジャーで高速道路を使う人も注意が必要です。

<JAF静岡支部 永谷和俊さん>
「前に止まっている車のテールランプがついていれば、それを見て前も走行していると(勘違いし)、そこに続いて行ったとすれば、停車しているのに気が付いたとしてもブレーキが間に合わなかった」

長距離移動の際はどうしてもドライバーは注意が散漫になり、距離感をつかめなくなるリスクがあります。

夏のレジャーで高速道路を利用する際は、きちんと休憩を取りながら事故のリスクを減らす必要があります。

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