“ガツガツ感なし”で米ツアー自己ベスト「64」 渋野日向子は32ラウンドぶりノーボギー

米ツアー自己ベストに並ぶ「64」で飛び出した(撮影/村上航)

◇米国女子◇フリードグループ スコットランド女子オープン 初日(3日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6494yd(パー72)

8バーディ「64」は3月「LPGAドライブオン選手権」2日目と並ぶ米ツアー自己ベスト、ボギーなしでのプレーも同じ試合の3日目以来32ラウンドぶりだ。数字的には“会心”でも渋野日向子は「ノーボギーはちょっとビックリ。最後までやり切れたのは大きいけど、まだ1日だけだから」と落ち着いた口ぶりだった。

10番で4mほどを沈めてバーディ発進。「最初の微妙な距離が入ってくれたのがすごく良かった」と気持ち良く滑り出し、13番から4連続で獲って加速。14番(パー5)、15番(パー3)と2連続のタップインバーディを決めたが、「15のショートは(ティショットの当たりが)ちょっと薄かったのが寄ってくれた。ラッキーもあった」と振り返る。

風の中を冷静にプレー(撮影/村上航)

アンジュレーションのきついグリーンに加え、午前組でもしっかり風が吹くリンクスコース。「『続けてバーディを獲るぞ!』っていう感覚はそんなになかった。風も強かったし、そんなにガツガツ攻めるシチュエーションにはなかったので、かなり冷静にできていました」というのが本音だ。ピンをデッドに狙うのではなく、ターゲットを広くとって着実にグリーンを捉え、訪れたチャンスを生かしていく。パーオン率は83.33%(15/18)を記録した。

8バーディを量産(撮影/村上航)

8個のバーディを量産した中で胸を張ったのは、折り返し18番(パー5)のパーセーブ。左上がりのセカンドを左の深いラフに曲げ、グリーン手前のクリークも気になる3打目をあっさりと真横に出してから、4打目のウェッジショットをピンそばに絡めた。タップインの“ナイスパー”を拾い「すごくいいショット。あれは、いいベタピン」とうなずく。

ショットが安定(撮影/村上航)

何度も繰り返した「冷静」「リラックス」のフレーズは、NGポイントに挙げる「力み」とは対極にあるもの。風の中で割り切る部分は割り切りながら、安定したテンションでやり通せたことをうかがわせる。ホールアウト時点で首位に立つロケットスタートを「いいところにいられているのはすごくうれしい」と素直に喜びつつ、「あしたも風が強いので、しっかり自分のプレーができるように頑張ります」。最後まで程よい緊張感を漂わせた。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)

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