長崎県内のコロナ感染拡大 前週の1.32倍 第8波が起きていた昨年12月中旬並み

 長崎県は3日、最近1週間(7月24~30日)の県内の新型コロナウイルス感染者が2120人(前週比514人増)に上り、定点当たりの報告数は30.29人だったと公表した。前週の1.32倍で、流行第8波が起きていた昨年12月中旬と同水準。入院患者は2日時点で522人(前週比118人増)。医療機関によっては第7、8波並みの発熱患者が診療・検査に訪れている。
 新型コロナ感染症は5月8日、「5類」に移行。感染者数は全数把握から定点把握になった。県内では70の定点医療機関で把握。定点当たりの報告数は、1医療機関当たりの患者が週に何人だったかを示す。県が過去の感染者数を報告数に換算した値は、昨年12月12日の週が31.13人で現状とほぼ同じ。この週は1日当たり約1500人が感染していた。
 長崎市東町の櫻川循環器内科クリニック(櫻川浩一郎院長)には7月に入って発熱や喉の痛みなどを訴える患者が急増。31日には1日で16人を検査し、12人が陽性だった。この状況は第7、8波のピーク時とほぼ同じという。
 今週に入って陽性率は7~8割に達しており、過去の流行時より高い状況という。櫻川院長は「5類になって軽症の人が医療機関を受診しなくなっているのかもしれない。実態が分かりにくい」と懸念。さらに「今後さらに拡大すると、入院患者を受け入れている病院ではコロナ以外の一般診療に影響が出てしまう。処方するせき止めなどの薬が不足しているのも心配だ」と述べた。

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