シネマライター・鷹取洋二さん『消えた映画館を探して〜おかやま、昭和の記憶〜』を発刊/岡山県

シネマライター・鷹取洋二さん(旧勝田町出身、赤磐市)が、『消えた映画館を探して〜おかやま、昭和の記憶〜』を吉備人出版から発刊した。県内各地の跡地などを訪ね歩き、147館を調査・記録した労作だ。
どこのまちにもあった映画館が時代とともになくなっていく現状を目の当たりにし、「消え去ろうとしている映画館に再び目を向け、記録を残さねば」と思い立ったという。2017年9月、岡山県津山市から〝旅〟をスタートさせた。
同市では、かつて存在した津山東宝(南町)、明宝会館(同)津山映画劇場(堺町)、さくら劇場(新魚町)、協映劇場(山下)、津山東映(本町3丁目)、錦鶴映画劇場(福渡町)の7館を紹介。当時の写真や映画の新聞広告などを織り交ぜ、映画全盛の華やかな時代の様子を伝えている。現在地の写真や各館の所在地を示す地図も添付。「高校時代を津山で過ごした当時、映画館は夢の館だった」という。
このほか美作地域では、勝山東映、日の出座、久世映画劇場、湯原中央劇場、湯原旭館、林野座、有楽座、江見劇場、藤原劇場、久木集会所などを掲載している。
鷹取さんは「昭和の身近な町の歴史と生活史を追体験する旅でもあり、取材先での多くの人との出会いに感謝したい。記憶遺産として後世に残すため、かつての映画館についての資料を持っている人は出版社までお寄せください」と話している。
1968年に岡山放送に入社し、編成、営業、報道の各局長や取締役などを経て、退社後は顧問を務めた。著書に『瀬戸内シネマ散歩Ⅰ〜Ⅲ』などがある。
『消えた映画館を探して』は津山ブックセンターなどで取り扱っている。1800円(税抜き)。

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『消えた映画館を探して〜おかやま、昭和の記憶〜』

© 津山朝日新聞社