イカ初水揚げ最少 能登・小木港 中型、例年の3分の1

船から運び出された冷凍スルメイカ=4日午前8時、能登町小木港

   ●近日中にロシア水域出漁

 能登町小木港で4日、今季最初となる中型イカ釣り船の水揚げ作業が始まり、一時帰港した4隻から計34トンの冷凍スルメイカが運び出された。石川県漁協小木支所によると、例年の3分の1程度の量にとどまり、過去最少となった。同日からはロシア側の排他的経済水域(EEZ)での操業が2年ぶりに可能となり、台風6号の影響を見極めた上でロシア側EEZへ向かう。

 水揚げしたのは第18白嶺丸、第28寳來(ほうらい)丸、第68徳洋丸、第86永宝丸で、作業は午前7時半に始まった。船内で凍らせた「船凍(せんとう)イカ」がベルトコンベヤーで搬出され、職員らが大きさ別に積み上げた。

 小木支所によると、昨年7月21日の初水揚げでは1隻が約30トンを持ち込んだ。今季は6月中旬に出漁したものの、釣果は不振が続いており、初水揚げは8月にずれ込んだ。

 県漁協所属の中型船9隻は能登半島沖の好漁場「大和堆(やまとたい)」だけでなく、北海道沖や山陰沖、九州沖、太平洋側の青森沖など全国の漁場を転々とせざるを得ない状況が続いている。

 小木支所の坂東博一参事は「出だしがこれだけ少ないのは過去に記憶がない。何とか上向くことを期待するしかない」と話した。

 ロシア側EEZでの操業は、昨季はウクライナ侵攻に伴う経済制裁の影響で見送られたが、今季はロシア側に送金でき、4日以降に行えるようになった。一部の船が近日中に出漁する見通しである。中型イカ釣り船によるスルメイカ漁は来年1月まで続けられる。

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