噂の「デジタルデトックス」をやってみた。おすすめアクティビティと“懐かしい新発見”も

仕事、勉強、スケジュール管理など、生活に欠かせない電子機器。しかし、膨大な情報量や止まない通知に疲れてしまうことも...。

また、情報や流行がアップデートされる速度も極めて早い現代、少しでも電子機器を離れたら、「情報を取りこぼして周囲に置いていかれるかも」という恐怖(FOMO)を感じる人もいるかもしれません。

筆者も、普段は電子機器を肌身離さず持って暮らしていますが、眼精疲労や情報疲れにとても悩んでいました。そこで今回、噂のデジタルデトックスに挑戦してみることに!

デジタルデトックスとは?

デジタルデトックスとは、自発的に電子機器の使用を控えていくこと、またその期間を指す言葉。情報社会が進みスクリーンタイムが急増した現代、心身の健康や周囲の環境により目を向けるため、こういったデトックスが人気になっています。

今回、筆者は思い切って電子機器を全面的にカット。「いきなり一人でやるのはハードルが高いかも」と思い、土日も社用携帯とにらめっこする仕事熱心な妹に声をかけ、一泊二日の「完全デジタルデトックス旅」に出ることにしました。

旅の目的地は、田舎で一人暮らしをする祖母の家。仲の良い姉妹ですが、一緒にいる時間にスマホやゲーム機に触れないなんて10数年ぶり。なんだか緊張しますが、果たして旅の行方は?

新しいようで懐かしい。スマホなしの一泊二日

電子機器を手放した2日間、想像していた以上に色々な体験や発見がありました。特に印象に残っている3つの出来事(アクティビティ)を紹介します。

1. スマホなしで「待ち合わせ」

スマホで連絡を取り合いながらの集合が当たり前の今、事前に決めた日時と場所だけを頼りに集合するのは、意外と難しいんです。

多くの人が行き交い、出入り口が複数ある駅で待ち合わせをした筆者と妹は、集合に10分以上もかかりました。お互いを見つけたときは思わず指をさして「小さい頃に公園で待ち合わせしたのを思い出すね!」なんて大笑いしました。

2.お気に入りの本を交換

身近な人に「これ見て」とスマホで何かを“送る”ことは多々ありますが、誕生日などの特別な日でもない限り、何かを“贈る”ってなかなかしませんよね。

そこで今回は、相手に読んでもらいたい本をお互いに持ち寄ってみました。忙しない生活の中で優先順位が下がり気味な読書ですが、一緒にデジタルデトックスをしていれば、同じタイミングでおすすめの本を読み合って、その場で「どう思った?」と会話ができます。

好きな本を大切な人に読んでもらえるのは嬉しいですし、互いにどんな箇所で心が動き、どんな感想を抱いたのか、感想や気に入った一節をシェアするのも、互いの心の中を覗いているようで貴重な体験でした。

3.出会った人たちの「おすすめ」を探して街歩き

地図アプリもインターネットもないデジタルデトックス期間、お店の店員さんたちに次の目的地を決めてもらいました。アパレル店員さんイチオシの靴屋さんでパンプスを買い、靴屋さんお気に入りのカフェで季節のタルトを食べ、カフェの店員さんがよく行く本屋さんの近くに行ってみると、知り合いおすすめのレストランを偶然見つけてびっくり。

口頭で案内してもらった記憶を辿ってお店を探すのは探検のようで、無事にたどり着いたときは、宝探しに成功したような気持ちになりました。ネットで口コミを調べて計画的に訪れるのもいいけれど、出会った人たちのお気に入りをおすそ分けしていただけて、とても心が温まりました。

デジタルデトックスで気づいた、ふたつの驚き

休日でさえ「時間がない」と嘆いている筆者ですが、デジタルデトックス中に特に驚いたのは「本当は時間あるじゃん」ということ。

普段は家事や移動の時間のさえ惜しく感じていましたが、不思議なことに、この二日間は「暇だなぁ」と思う場面が多々あったんです。ずっと読みたかった本を読んで、祖母のお手伝いをして、久しぶりに机に向かって勉強をして、軽い運動をしても時間は有り余り、22時には就寝。

思えば「時間がない」と嘆く一方で、ショート動画やタイムラインを眺める時間、画面の奥のキラキラした人達と自分を比べて落ち込む時間に、スケジュールと心の余裕を持っていかれていたのかもしれません。

祖母のお手伝いをする妹を、フィルムカメラで撮影

(ウェルなわたし/ COCO)

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