リニア新幹線の問題を協議する静岡県の専門部会が開かれ、トンネル工事で発生する残土の置き場について静岡県はJR東海に対し再検討を求めました。
3日の専門部会では「トンネル工事で発生した残土置き場」について議論が交われました。
JR東海は、残土の大半を大井川上流の「ツバクロ」と呼ばれる場所に盛り土する計画を示しています。
静岡県は「ツバクロ」について「地層の深層崩壊が起こった場合大井川の下流側に影響を及ぼす恐れがある」と難色を示しましたが、JR東海はシミュレーションの結果を基に「盛り土の崩壊があっても影響はほとんどない」と説明しました。
一方、静岡県は「災害が発生した際のリスクが大きい」として、「ツバクロ」を含む残土置き場の再検討を求めました。
「ツバクロ」についてはこれまでも議論が重ねられてきた経緯があり、議論を振り出しに戻しかねない静岡県の姿勢にJR東海も困惑しています。
(JR東海 中央新幹線推進本部 澤田 尚夫 副本部長)
『環境影響評価書を出したのは平成26年(2014年)、そのころから「ここに置きますよ」と話はさせていただいて、そういった経緯もある中で、もう一回「そこがいいのか」という話はかなり困惑している』
平行線に終わった残土置き場についての議論は、長引く可能性がありそうです。