「空中で止まる…」計測? 飛ばし屋・清水大成の“ランク”が落ちたワケ

清水大成が首位に2打差で決勝ラウンドへ(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 2日目(4日)◇横浜CC(神奈川)◇パー71(7231yd)◇晴れ

昨年のドライビングディスタンス部門で1位だった河本力は、今季もその座を譲らない(2022年315.74yd、23年320.89yd)。その反面、2位(302.72yd)だった清水大成は今大会を迎えるまでに28位(293.63yd)と低迷中。パワーが落ちただとか、安全策をとるようになっただとかが理由ではないそうだ。

1Wショットで出球から勢いよく右に流れていく“右プッシュ”に長らく悩み、今春からスイングを改造中。「いろんな状況に対応できるように。手打ちをせず、体の回転で打つ」動きを目指して、内藤雄二コーチの指導の下、練習ドリルを繰り返している。変化は痛みを伴うもの。「(シーズン)序盤の方はとんでもなく曲がっていて。計測ホールで(左右)どちらかの林やラフばかり。(計測が)空中で“止まっている”ような感じで…」

豪快なドライバーショットが武器(撮影/中野義昌)

最近、暴れていたドライブがようやくまとまり始めた。初日2オーバーからキャリアベストを1打更新するこの日の「61」がその証明でもある。リーダーボードを駆け上がりながら、「久しぶりのビッグスコア。意識はしていたけれど、変な誘惑に負けない、スコアを守り過ぎない」と心がけ、圧巻の10バーディを奪った。

圧巻の10バーディ。最終ホールはバンカーからセーブ(撮影/中野義昌)

中盤の3連続バーディのきっかけとなった8番(330yd)では前日、ティショットをロストボールにしてトリプルボギーを叩いていた。抱えたストレスは寝て解消。翌朝、1Wでグリーン左のバンカーまで運んでみせた。両サイドに構えるブッシュやペナルティエリアに恐怖心をあおられつつ、コース全体を「攻めていけば見返りも多い、チャンスにつけられる確率が上がりやすい」と見渡す。パー3を除く15ホールのうち10回のフェアウェイキープ成功も、地道な練習の成果のひとつに挙がる。

日大出身の清水もまた、期待を背負ってプロ入りした24歳。同世代には金谷拓実や桂川有人、年下にもツアーを引っ張る若手がたくさんいる。「焦りはあります。でも、自分のペースで」。雑音にも負けない。歩幅は変えず道を進む。(横浜市保土ケ谷区/桂川洋一)

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