安産祈願の神社に300年以上前からある「大原の産屋」 助産師志望の専門学校生が見学

大原神社の林宮司(右)から産屋の歴史を学ぶ学生たち=京都府福知山市三和町大原

 安産祈願で知られる京都府福知山市三和町大原の大原神社に7月31日、助産師を志す京都市内の学生22人が訪れ、府指定有形民俗文化財の「大原の産屋」を見学し助産の歴史を学んだ。

 京都市山科区の府医師会看護専門学校の助産学科が授業の一環で毎年訪れている。

 大原の産屋は約3畳のかぶき屋根の小屋で府指定有形民俗文化財に指定されている。300年以上前からあったとされ、戦後間もない1948年まで地元住民が使っていた。

 神社前の川合川の対岸に立つ産屋で、林秀俊宮司が「産屋はあの世とこの世の境目に位置しており、生命の生まれ変わりを意味している」と説明。学生はメモを取ったり内部に入ったりして助産の様子を想像していた。

 山口県出身の女子学生(20)は「出産に挑む妊婦の気持ちや当時の分娩法が気になった。将来は地元に戻り、どんな環境でもサポートできる助産師になりたい」と話した。

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