明日も進む、いのちの取り組み…少女の死教訓の「ASUKAモデル」 全国普及へ、さいたま市教委ふるさと納税CF

さいたま市教育委員会の貸し出し用AED

 自動体外式除細動器(AED)を活用した救命マニュアル「ASUKA(あすか)モデル」を全国に知ってもらおうと、埼玉県さいたま市教育委員会は1日、クラウドファンディング(CF)型でふるさと納税を募る「ガバメントクラウドファンディング」の募集を開始した。募集期間は10月29日までで、目標金額は500万円。ASUKAモデルを市外に普及させ、救える命を救いたいとしている。

 市教委健康教育課などによると、ASUKAモデルは、市立小学校6年の桐田明日香さん=当時(11)=が2011年9月、駅伝の課外練習中に倒れ救急搬送された後に死亡した事故を教訓に、遺族と市教委が翌年9月に策定した。現場の教諭らが当時、校内のAEDを使用するなどの救命措置を行わなかったことから、AEDの使用をより分かりやすくした内容で、教職員の研修などに利用されている。

 市教委は明日香さんの命日の9月30日について、「明日(あす)も 進む いのちの日」と制定。全ての市立学校で、AEDの一斉点検や児童生徒によるAED設置場所の確認などを行っている。

 寄付金は、ASUKAモデルの推進事業や市立学校などへのAED設置、貸し出し用AED設置の費用などに充てる。市外の人が希望すれば、さいたま市のふるさと納税の返礼品を贈呈する。

 同課の担当者は「ASUKAモデルの取り組みを市外の人に知ってもらい、一人でも多くの救命につなげたい。取り組みに賛同して寄付という形で応援、協力をしてほしい」と呼びかけている。

 寄付の受け付けは、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」の専門ページなどから申し込む。

 問い合わせは、同課(電話048.829.1679)へ。

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