アレックス・マルケス、スプリントで初優勝。日本メーカーは15位以下に沈む/第9戦イギリスGP

 MotoGP第9戦イギリスGPのスプリントレースがシルバーストン・サーキットで行われ、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)がスプリントレースにおける初優勝を飾った。

 土曜日のシルバーストン・サーキットは朝から本降りの雨となり、気温も上がらず、予選時の気温は12度、路面温度は15度。厳しいコンディションによって特にQ2では転倒が多発し、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)などがクラッシュを喫した。

 こうした状況のなかで、ベゼッチが転倒前に記録したタイムでポールポジションを獲得した。2番手はミラー、3番手はアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)。アレックス・マルケスも転倒を喫したうちのひとりだが、やはり転倒前に記録したタイムによって3番手となった。

 Q1ではマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)を含むホンダ勢4人のライダーがQ2進出を逃し、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は最下位に終わった。

 スプリントレースは気温17度、路面温度23度のウエットコンディションだが、曇天ながら雨は上がっていた。スタート前にウエットレースが宣言され、また、ライダーは適宜、バイクの乗り換えが可能となった。

 ホールショットはポールポジションスタートのベゼッチが奪ったが、2コーナーでミラーがベゼッチをパスしてトップに立った。2番手ベゼッチ、3番手にはホルヘ・マルティン(プリーマ・プラマック・レーシング)、4番手にアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、5番手にアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)が続く。

 3番手につけていたマルティンは、1周目にベゼッチをとらえる。2番手を奪い返したベゼッチだが、アレックス・マルケスにかわされた。アレックス・マルケスは2番手に浮上すると、さらにミラーをとらえてトップに立った。このとき、ベゼッチもミラーをパスし、2番手。トップがアレックス・マルケス、2番手がベゼッチ、3番手がミラー、4番手がマルティンというオーダーとなる。

 トップのアレックス・マルケスは安定したペースを刻み、2番手のベゼッチに対してアドバンテージを築き、1秒以上の差になった。ベゼッチも単独の2番手走行。3番手はミラーがキープしていたが、6周目、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が3番手にポジションを上げた。

 終盤にはベゼッチがアレックス・マルケとの差を縮めたが、アレックス・マルケスを脅かすには至らず、アレックス・マルケスが優勝を飾った。アレックス・マルケスにとって、スプリントレースでの初優勝だった。2位はベゼッチで、3位にはビニャーレスが入った。

 4位はヨハン・ザルコ(プリーマ・プラマック・レーシング)、5位はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は4番グリッドからスタートしたが大きく後退し、14位。ホンダ、ヤマハの日本メーカーとしては、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)の15位が最上位で、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は20位だった。

アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)/2023MotoGP第9戦イギリスGP

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