人気の「ふく福すいか」 6日で異例の販売終了 砺波・栴檀山、豪雨と連日の猛暑直撃

6日で今季の販売が終了する「ふく福すいか」=砺波市東別所

  ●出荷量の大幅減でやむなく

 砺波市栴檀山(せんだんやま)地区の農家が栽培する「ふく福すいか」が異常気象の影響を受け、6日で今夏の販売を終了する。7月の豪雨被害や連日の厳しい暑さで出荷数が大幅に減ったためで、8月初旬に販売を終える異例の対応。5日はたった10分余で完売する人気ぶりで、最終日は厳しい環境で育った貴重なスイカを求める客でにぎわいそうだ。

 ふく福すいかは、栴檀山地区の「ふく福柿出荷組合」の組合員ら5人が粘土質の土壌で栽培するスイカで、甘くてみずみずしいのが特長。おいしいと評判のスイカ求め、県内外から買い求める客が増えている。

 組合によると、7月の大雨で水が着き、出荷間際のスイカが被害を受けた。黄色の実で凍らせてもおいしい「サマーオレンジ」や、種ごと食べられる「ピノーダディー」が全滅。さらに連日の厳しい暑さや強い日差しで果皮が変色する「日焼け」の被害もあり、出荷数は例年の半分程度で千個を下回るという。

 例年は旧盆時期まで販売していたが、今夏は出荷数が足りないため、6日で本格的な販売を打ち切る。

 5日は砺波市東別所の直売所に午前10時の開店前から買い求める客の列ができ、用意した6~10キロの40個が早々に完売。その後も次々と客が訪れたが、お目当てのスイカを買えず、残念そうに店を後にする姿が見られた。

 最終日の6日は20~30個を販売する。8~13日は午前中のみトマトやトウモロコシ、切り花などを販売し、スイカは少量でも採取できれば、販売も検討する。

 ふく福柿出荷組合の宮木武司組合長は「自然相手で仕方ないが、遠方から楽しみに訪れるお客様に迷惑を掛けられない」と唇をかみ、来年の再起を期した。

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