「サッカサイ」掛け声熱く 七尾・石崎奉燈祭 迫力、見物客を魅了

勇ましく乱舞する大奉燈=七尾市石崎町

  ●軒先かすめ路地を進む

 七尾の夏を代表する祭り「石崎奉燈祭(いっさきほうとうまつり)」は5日、七尾市石崎町で行われ、高さ12~13メートル、重さ約2トンの大奉燈6基が4年ぶりに町内各地を練り、「サッカサイ」の掛け声が漁師町を熱狂に包んだ。親戚や知人を呼んで料理や酒を振る舞う「よばれ」も多くの家庭で行われ、石崎エビなどの特産品を並べて来客をもてなした。

 鉦(かね)と太鼓、笛の音が鳴り響く中、約100人の若衆に担がれた奉燈は、民家の軒先をかすめながら細い路地を進んだ。夕方には仮宮が設置された堂前広場に6基が勢ぞろいし、大漁祈願祭が営まれた。夜は6基が町の東西を横断した。

 2020、21年はコロナ禍で神事のみを執り行った。22年は広場でのみ奉燈の乱舞が行われたが、見物客の立ち入りは制限されていた。今年は久々に間近で見ることができるようになり、煌々(こうこう)と輝く大奉燈が上下左右に雄々しく乱舞する様子に大勢の観客が酔いしれた。ほぼ毎年訪れているという津幡町の会社員野沢直樹さん(35)は「活気があって、祭りが戻って来た感じがする」と喜んだ。

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