「場面緘黙」の症状知って かんもく富山10周年イベント、当事者が体験談発表

体験談を発表する加藤さん(右奧)ら

 家庭では会話ができるのに、学校など特定の場面で話せない状態が続く「場面緘黙(かんもく)」の症状に悩む人や、その家族の交流の場をつくる団体「場面緘黙を考える会富山(かんもく富山)」の発足10周年を記念したイベントが5日、富山市安住町のサンシップとやまで開かれた。参加者は当事者による体験談の発表や専門家の講演を通して理解を深めた。

 約50人が参加。20年ほど前から症状に悩む、かんもく富山副代表の加藤諄也(しゅんや)さん(29)が、これまで学校や仕事場で困ったことなどを同団体メンバーとともにQ&A形式で紹介。症状が少しずつ改善していることから、「人から話しかけられると不安で頭が真っ白になる。こんな症状に苦しんでいる人がいると知ってほしい」と自らの言葉で訴えた。

 発表を終え、「自分の声で伝えることができ、ほっとしている。少しでも症状に苦しんでいる人の力になりたい」と話した。

 けん玉体験会もあり、けん玉検定4段の加藤さんが持ち方や技の手本を見せた。参加者はそれぞれけん玉を持ち、加藤さんの動きをまねながら楽しんだ。

 全国規模の支援団体「かんもくネット」の代表を務め、臨床心理士で公認心理師の角田圭子さんが「場面かんもく改善のためのスモールステップ」と題して講演。参加者は症状改善のために家庭や社会で何ができるのかを考えた。

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