【MLB】バーランダーがアストロズ復帰後初登板

アストロズに、バーランダーが帰ってきた。

今季のトレード期限でメッツからトレードによって移籍したジャスティン・バーランダーが日本時間の8月6日、敵地・ニューヨークで行われたヤンキース戦で移籍後初登板を果たした。

ドラマは7回裏、ヤンキースの攻撃時だった。6回二死1塁でヤンキースの主砲アーロン・ジャッジを迎えるという場面。監督のダスティ・ベイカーはマウンドに向かった。やってきた指揮官に対し、バーランダーは「どこにも行かない」と伝えた。ほかの監督なら不意をつかれたかもしれないが、ベイカーはこの場合、マウンド上での話し合いがどうなるかを理解していた。

「世界最高級のバッターを迎えて、ここはゲームの山場だと思ったし、別に110球以上投げている訳でもなかったからね」試合後にバーランダーは語った。「言ったんだ、大丈夫だって」

果たしてバーランダーは続投。見事ジャッジをセカンドフライに打ち取り、マウンドを降りた。試合に敗れはしたものの7回を投げ、7安打を許しながらも4奪三振2失点という投球は堂々たるものだった。「ここ(アストロズ)に帰ってきてうれしいよ」試合後のインタビューでバーランダーはそう語った。「僕はアストロズの仲間たちが大好きだし、また試合に出て一緒に戦える。とても楽しいよ」

アストロズにとっても、バーランダーが復帰後すぐに素晴らしい投球を見せたのは頼もしい限りだろう。ただ、一方で気がかりなのはバーランダーの投球の質が低下傾向にあることだ。

今季のバーランダーはアストロズ時代の全盛期に比べて明らかに奪三振能力が低下している。対戦打者に占める三振の割合を示すK%は21%と、2022年(27.8%)からは6.8%、2019年(35.4%)と比較すると14.4%も下がってしまった。39歳にしてサイ・ヤング賞を受賞し、衰え知らずをアピールしたバーランダーだが、流石に40歳という年齢には勝てなくなってきているのかもしれない。来季まで契約が残ることを考えると、どの程度のクオリティを維持できるのかという不安はつきまとう。

ただ、今大事なのは今季アストロズが2年連続のワールドシリーズ優勝を果たせるかどうかだ。まずは強力なエースが復帰したアストロズとレンジャーズとの熾烈な地区優勝争いがどうなるか、その行方に注目したい。

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