率直にうれしい…外国籍の子の「在留特別許可」でクルド人男性 埼玉にも一定数の対象者 「救済の契機に」

外国籍の子の「在留特別許可」、埼玉にも一定数の対象者

 斎藤健法相は4日、記者会見を開き、日本生まれで、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子どもに、法相の裁量で例外的に在留を認める「在留特別許可」(在特)を付与する方針を発表した。140人以上が対象となる見通しで、家族にも認める。親に不法入国といった犯罪歴がある場合などは除く。

 日本で生まれた子どもの在留特別許可で、対象となる可能性が高い子どもを持つ埼玉県川口市で暮らすトルコ国籍の40代のクルド人男性は「率直にうれしい」と話した。

 男性の子どもは日本生まれで、市内の学校に通う小学2年生。姉と両親と同居しているがいずれも仮放免で難民申請中という。子どもに在留特別許可が付与されれば、ほか3人にも付与される可能性がある。

 男性は6月に可決、成立した改正入管難民法によって、将来的に子どもも強制送還される危険性が増したことに不安を抱えていた。「自分が現地で受けてきた迫害を子どもには経験させたくなかった」とし、「今は多くの制約の中で生活しているが、もし在留特別許可が付与されたらこれ以上のことはない」と期待をにじませた。

 クルド難民弁護団で事務局長を務める大橋毅弁護士(61)によると、今回の措置によって在留特別許可の付与の対象となる子どもは県内に一定数いるという。

 大橋弁護士は「法相の判断で一部の子どもたちが救済されることについては評価したい」とした一方で、入管庁が示す在留特別許可のガイドラインでは日本での定着性が認められる外国人についても許可が考慮される旨の記載があることを指摘。「許可を必要としている子どもたちは年々増えている。今回の措置が多くの方を救済する契機になってほしい」と訴えた。

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