あのシーンを思い出す? 旧渋沢邸「中の家」10日にリニューアルオープン アンドロイド栄一や再現セットも

渋沢栄一のアンドロイドと映像を組み合わせた「アンドロイド・シアター」=埼玉県深谷市血洗島「中の家」

 埼玉県深谷市の郷土の偉人、新1万円札の肖像になる渋沢栄一の生地、同市血洗島の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」が10日、リニューアルオープンする。4日にメディア向け内覧会が行われた。現存する主屋は養蚕農家。歴史的建造物を将来に伝えていくため耐震補強と改修の工事を実施した。

 これまでの見学は屋外から家の中を見るだけだったが、10日からは主屋に上がり見学できる。伝統的な工法で復元していることも見どころの一部になる。

 栄一が帰郷の際、滞在していた上座敷もそのまま保存して公開。和服姿でくつろぐ80歳代の栄一のアンドロイドと映像を組み合わせたシアターでは、生まれ育った血洗島や仲間たちとの思い出話が聞ける。

 2階の蚕室も開放し、蚕棚の一部も再現して展示した。工事中に見つかった「煉瓦(れんが)製カマド跡」、栄一主人公のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の再現セットの一部も展示している。

 中の家を管理する渋沢栄一記念館(同市下手計)の栗田誠館長は「上座敷は栄一翁を身近に、シアターは親しみながらご覧いただき楽しんでほしい」と来館を呼びかける。

 開館時間は午前9時~午後5時。入場は同4時半まで。入場無料。休みは年末年始。問い合わせは、同館(電話048.587.1100)へ。

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