子どもの習い事諦めないで 低所得世帯支援へ寄付

「体験格差」を解消するプロジェクトへの寄付を呼びかける「チャンス・フォー・チルドレン」の今井悠介代表理事(後列中央)ら=7月、東京都内

 低所得家庭の子どもは、習い事やキャンプなど学校以外の体験を諦めている実態がある―。小学生の「体験格差」を解消するプロジェクトを本格化させるため、教育支援に取り組む公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」(CFC、東京都墨田区)が、クラウドファンディングで寄付を募っている。

 今井悠介代表理事は「学習支援に比べて優先順位は低くされてきたが、さまざまな人との出会いが人生を豊かにする」と訴える。

 CFCが昨秋に小学生の保護者約2100人に実施した調査では、学習塾を除くスポーツや音楽といった習い事のほか、旅行やキャンプ、動物園・博物館などを訪れる機会が1年間でゼロと回答したのが、年収300万円未満の世帯で約3分の1に上った。最近の物価高が体験機会減少に拍車をかける恐れもある。

 プロジェクトは、低所得世帯の小学生らを対象に、寄付で集めた資金で地域のスポーツクラブや音楽教室などの利用料を賄うもの。宮城県石巻市、岡山市、那覇市のNPOなどとも協力し、東京を含めた4拠点で実施する。

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