茨城県内原子力17事業所 火災対策「指摘なし」 県が調査結果公表

県が原子力事業者などを対象に開いた火災対応に関する立ち入り調査の結果説明会=県庁

茨城県は7日、県内の原子力事業所3カ所で発生した昨年度の火災5件を受けて行った、原子力安全協定を結ぶ17事業所の再発防止策に関する立ち入り調査の結果を発表した。調査全4項目について、県は「特段の指摘事項はない」とした。同日、県庁で、協定締結市町村や事業所に説明した。

5~6月に県は調査を実施し、管理区域外の電気機器の巡視・点検▽防火への危険予知活動▽電気機器の取り扱いに関する教育訓練▽防火対策の実施状況の現場確認-の4項目を確認した。

県は4項目とも大きな問題はないとする一方、一部事業所で電源に接続する機器の合計消費電力量が最大値を超過していることや、配線に踏みつけ防止措置がないなどの課題を指摘。火災防止の実効性を高めるよう求めた。

県内の原子力施設を巡っては、本年度も日本原子力研究開発機構の大強度陽子加速器施設(J-PARC)や日本原子力発電東海第2原発などで、既に5件の火災が発生している。

同日は、17事業所での事故防止を図る昨年度の「平常時立ち入り調査」の結果も公表。県は法令順守(コンプライアンス)の徹底や管理区域内の配管の点検状況など6項目を調査した結果、全体として「安全上支障のある事項は認められない」とした。

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