産廃、茨城県内限定で3割減 エコかさま 検討会、県に提言

茨城県笠間市にある産業廃棄物最終処分場「エコフロンティアかさま」の受け入れ延長を探る同県の有識者検討会は7日、廃棄物は県内分に原則限ることで年間受入量を約3割減らすとする提言をまとめ、県に提出した。県は月内に方針を決定し、運営する県環境保全事業団に通知する。

提言では、現状で年間約15万トンある廃棄物の受入量を3割ほど削減する必要があるとした。受入量の割合は県外からが3割以上を占めている。このため、県外分は災害廃棄物を除き、受け入れを控える。昨年度の搬入事業者は計991社あり、このうち県外は44社だった。

県内の廃棄物については多量な新規受け入れは原則控える。リサイクルにより減量化が可能な廃棄物は、排出現場での分別の徹底や処理を促す。

排出事業者にも減量化への協力を要請する必要性を示した。

検討会は、日立市諏訪町の鉱山跡に整備する新産廃処分場の供用開始時期が当初予定の25年度から26年度末にずれ込む見通しとなったことから、エコフロンティアかさまが切れ目なく廃棄物を処分できるよう、受け入れ策を検討してきた。委員は環境問題の有識者や事業者、自治体など関係者5人で構成。計3回の会合を開き、協議した。

県資源循環推進課によると、コロナ禍によって経済活動が停滞し、製造業などの廃棄物量が減少したとして、「当初の想定よりも埋め立て終了時期が延びる」としていた。

検討会は同日、県に提言書を提出した。肴倉宏史委員長は「茨城県の産業活動と県土の環境保全のため、限られた残余容量を有効に活用することが求められる」と述べた。

林利家県民生活環境部長は「県として廃棄物を切れ目なく受け入れるため、対応を進めたい」と話し、提言内容を今後の事業計画の策定につなげる考えを示した。

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