世界へ誇れる五島に 中学生議会4年ぶり開催 地域の課題を市側にただす

市長(手前)らに質問する中学生=五島市議会議場

 「五島市中学生議会」が7日、同市議会議場であり、市立中9校と県立鶴南特別支援学校五島分校の計19人が地域の課題について市側に質問。五島の魅力を発信し、世界に誇れる島になるために意見表明する議案を可決した。
 市政への関心を高めてもらおうと、中高生を対象に数年おきに開催。中学生は4年ぶりで、議員となった生徒は5月ごろから一般質問の準備を進めてきた。
 生徒は観光客誘致、移住者支援、空き家活用など市政の現状や方針を質問し、野口市太郎市長や市幹部が答弁。若者の定住を目指し、農水産業が盛んな五島の特色を生かした大学の学科の誘致、子どもが雨の日に遊ぶ施設の整備を求めるアイデアもあった。
 同分校2年の水谷蒼大さん(13)は同校の総合学習の一環で、中心商店街で行ったアンケート結果などを基に質問。路上駐車でお年寄りらが交通事故に遭う危険性を指摘し、駐車場の設置を求め、「実現は簡単ではないと思ったが、貴重な体験だった」と振り返った。海洋ごみ問題などをただした富江中3年で生徒会長の草野朝陽さん(15)は「学校に持ち帰り、みんなで地域の課題について考えていきたい」と話した。
 意見表明する議案は生徒2人の連名で提案。▽交流サイト(SNS)を活用し、五島の魅力を島外の人に伝える▽島民全員で自然環境の保全に取り組み、島の美しい景観を守っていく-など5項目に取り組むことを表明した。

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