「大関・琴桜」見られるかも 佐渡ケ嶽親方、尾花沢市に来年夏巡業受け入れ要請

大相撲の夏巡業受け入れなどについて結城裕市長らと懇談する佐渡ケ嶽親方(左)=尾花沢市役所

 尾花沢市出身で市ふるさと大使を務める大相撲の佐渡ケ嶽親方が7日、関係者と共に市役所を訪問し、来年の夏巡業の尾花沢開催に向け、市側に受け入れを要請した。長男・琴ノ若関(本名・鎌谷将且(まさかつ))は新三役から4場所連続勝ち越しし、順調に昇進すれば大関で凱旋(がいせん)する可能性もある。横綱だった祖父が生前、大関になれば「琴桜」の襲名を許すと将且少年と約束しており、親方は「琴桜として尾花沢で相撲をご覧いただけるよう、力をつけさせたい」と力を込めた。

 佐渡ケ嶽親方によると、小学4年だった琴ノ若関が「大(おお)パパ」と敬愛する祖父に「いつになったら琴桜と名乗っていい」と聞くと、「大関になったらな」と答えたという。琴ノ若関は先の名古屋場所で小結では初の2桁勝利を挙げた。佐渡ケ嶽親方は「一つの目標に向かって稽古し、苦しさを乗り越えた先に上位が見えてくる。(琴桜襲名という)目標が励みになっている」と語る。

 この日は、日本相撲協会巡業部の松ケ根親方、佐渡ケ嶽部屋と琴ノ若関の両後援会長の二藤部洋さん(おーばん社長)と共に結城裕市長と懇談。巡業受け入れに市側も前向きに応じた。実現すれば2001、13年に続き3度目となる。

 佐渡ケ嶽親方は大相撲人気の高まりの影で、角界入りを希望する子どもの数が減っている現状も説明し、琴ノ若関のほか、市出身で来場所での初の幕下昇進が濃厚な琴ノ藤を「巡業などがない時期に尾花沢に連れてくることもできる」と強調した。

 巡業の魅力について、禁じ手をコミカルに解説する「初切(しょっきり)」や相撲甚句など、幅広い世代が楽しめる内容が満載されている点を挙げ、厳しい鍛錬に裏打ちされた力士の強さ、生の迫力を体感してほしいと願った。

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