「わかったさん」絵本画家・永井さん、読み聞かせにファン涙 市立弘前図書館(青森県)

絵本の読み聞かせをする永井さん(右)

 弘前市立弘前図書館は7月29日、「わかったさんのおかし」シリーズで有名な絵本画家永井郁子さん(67)の絵本の読み聞かせ会を行った。市内外から約40人が詰めかけ、笑いあり涙ありの2時間を過ごした。

 「わかったさん-」シリーズは、主人公でクリーニング屋のわかったさんが商品の配達中に不思議な出来事に巻き込まれる物語。お菓子の作り方が話の鍵を握っており、巻末にはレシピが載っている。1990年前後の作品だが今なお小学生にも人気のある絵本。

 来場者には「わかったさん」の絵本を持った親子や昔、絵本を見ながらお菓子を作ったという高齢女性などの姿も。午後1時半、会場に永井さんが現れると「おお~」という歓声とともに拍手が起こった。スライドショー形式で「わかったさんのアイスクリーム」「にじになったさかな」など代表作4作品を朗読し、参加者を話の世界に引き込んだ。

 講演の最後、小学生の時から永井さんの絵本が好きで読んでいたという20歳の女性が「夢をかなえられるか不安だったが、永井さんが諦めず夢をかなえた話を聞き勇気が湧いた」と涙ながらに永井さんに感謝を述べた。永井さんは「好きなことをいっぱい見つけて夢に変えて。つらいことがあっても好きなことなら乗り越える」とエールを送った。

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