“唯一”の初出場初優勝/渋野日向子の全英女子2019

キャリアの転換点となった2019年大会(撮影/和田慎太郎)

◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前◇ウォルトンヒース (イングランド)◇6881yd(パー72)

女子ゴルフの今季海外メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」が10日(木)に開幕する。渋野日向子が4年前に日本勢42年ぶり2人目のメジャー制覇を成し遂げ、キャリア最大ともいえる転換点となった舞台。過去4度出場した大会を、それぞれ振り返る。第1回は全てが始まった2019年。

メジャーはもちろん、米ツアーも初出場の20歳が、イングランド・ウォーバーンGCで行われた大会初日から話題をさらった。6アンダー「66」で1打差2位発進。アグレッシブなプレーだけでなく、笑顔を絶やさないキャラクターは海外メディアからも注目の的となり、この年の流行語大賞にもノミネートされた「スマイリングシンデレラ」という言葉が生まれたのも大会中の現地記者とのやり取りがきっかけだった。

後続に2打リードの単独首位で迎えた最終日は前半にひとつ落とし、逆に2打差を追いかける形で入ったバックナインが圧巻。グリーン右手前側に大きな池が口を開ける12番パー4は1Wで果敢に1オンを狙ってバーディにつなげ、そこから3バーディを追加。最終18番でスライスラインを強気に打ち切って沈め、頂点に立った。

詳細な記録が残る1995年以降、初出場で全英女子を勝った選手は95年のカリー・ウェブ(オーストラリア)を含めて2人だけで、01年のメジャー昇格からは唯一の例。また、このときの渋野は「66」「69」「67」「68」と4日間60台をそろえた。大会記録はジョージア・ホール(イングランド)が18年初日から翌年2日目にかけてマークした6ラウンド連続だが、01年以降の日本勢では4ラウンド連続が最長となっている。

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