浸水を知らせる自動販売機 被害状況をリアルタイムで把握する国の実証実験がスタート 三重・津市

三重県の津市役所ではリアルタイムで浸水被害を把握するための対策がスタートしました。

8日に設置されたのは一見、よくある自動販売機ですが、側面には筒状のケースが取り付けられています。

この中には水に浸かると反応するセンサーが入っていて、深さなどの情報を収集することができます。

地面から約15センチの高さにセンサーがついていて、浸水するとその情報が記録されます。

さらに、自販機から10メートルほど離れた道路沿いにもセンサーを3つ設置。

浸水の高さ1センチから11センチ、さらに11センチから21センチ、そして21センチ以上と3段階で把握できるということです。

情報は自販機を経由して、国や自治体にリアルタイムで送られます。

この取り組みは国が浸水被害の状況をいち早く把握するために、低コストで多くの場所に設置が可能な仕組みを構築するための実証実験で、過去に浸水被害があった津市に国内一号機が設置されたのです。

(津市 前葉泰幸市長)
「市街地の浸水が起きたときに、どこで何センチかなどを把握しにくい」

もともとの自販機の電源を、通信設備に振り分けて使用できるほか、メーカー側の協力で自販機による収益で設備費や修理費用もまかなえるため、自治体の負担が軽くなることがメリットです。

(中央大学 研究開発機構 山田正教授)
「市民が(データに)アクセスすれば(水が)あふれている道路かどうかわかる」

今後は氾濫情報をリアルタイムで公開できるようにし、市民の避難行動に役立つものにしていきたいということです。

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