防衛費7兆円台、概算要求へ 24年度予算、過去最大

3月、記者会見する浜田防衛相=防衛省

 防衛省は8月末にまとめる2024年度予算概算要求に、過去最大の7兆円台の防衛費を計上する方向で調整に入った。他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に活用する国産の長射程ミサイルの取得費や、計画を撤回した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替案として整備する「イージス・システム搭載艦」の建造費などを盛り込む。関係者が8日、明らかにした。

 政府は23~27年度に防衛力を抜本的に強化する方針で、昨年12月に策定した安全保障関連3文書に5年間の防衛費総額を約43兆円と明記した。23年度当初予算は6兆8219億円。7兆円台への増額要求はこの方針に沿った形だが、具体的な使途と必要性について十分な説明が求められる。

 関係者によると、概算要求では長射程ミサイルの取得を促進。陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾の射程を千キロ程度に延ばす「能力向上型」の量産費を計上する。南西諸島など島しょ防衛用の新型ミサイル「高速滑空弾」の早期装備型の量産費も盛り込む。

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